「ひらざわ内科ハートクリニック」のメインのアプローチには、「ふじさわのいえ」の建設前に建っていた農舎の基礎に使われていた笏谷石を使っています。
笏谷石は、このクリニックの北側にある足羽山周辺から採掘され、足羽川を経由して三国湊まで運ばれ、そこから北前船で遠くは北海道まで運ばれています。
現在、笏谷石の採掘されておらず、新たに手に入れることは困難な素材。
しかし、古い建物の基礎に使われていたり、畑の片隅に積載されていたり・・・まだまだいろんなところに笏谷石が残っています。
古い建物の解体時にはゴミとして処分されることが一般的ですが、この貴重な資源をなんとか残していきたいと思い、造園家の荻野寿也さんに笏谷石を入れ込んだ福井的な造園を依頼しました。
福井県民の感覚からすると、基礎や墓石の印象が強く、とても地味な素材なのですが、相談したところ・・・
「こんな石を捨てるなんでもったいない!考えられへん」と!!笑
さすが、荻野さん!!
ということで、今回のいびつな形の笏谷石を並べたアプローチが実現しました。
100年程前(勝手な推測です・・・再利用されていたとすればもっと昔から・・・)に足羽山から採掘された笏谷石が、令和の時代に再び足羽山の麓に戻ってきました。
この歴史が刻まれたアプローチのおかげでとても厚みのある熟成した環境を作ることができました!!
これからもアンティークな笏谷石を現代建築に取り入れていく設計を積極的にやっていきたいと思います!!