先日造園工事が完了した静岡県「青木医院」では、今までの造園とはちょっと違ったことを試みています。
一言で言うと「持続可能な庭づくり」。
青木医院の敷地を最初に訪れた時、裏庭に広がる庭園がとても印象的でした。
地域の方や患者さんからも親しまれた庭園で、長い歴史の中で作られてきた庭だとわかりました。
ただ、設計を進めていくと、その庭を壊さないと仮設費が膨大に膨れ上がることが判明!
院長先生に恐る恐る裏庭を壊してもいいかと聞いたところ、思い切ってやってくださいと!
思い切りやるかわりに、これまで引き継がれてきた思いはしっかりと建築の中に取り込みたいと思い設計が進みました。
そんな中出てきたコンセプトが「森の中のクリニック」!
既存の樹木を何本か残し、庭園にあった溶岩石を再利用。
そして、クリニックに来ること自体が癒しになるような、緑あふれるクリニックを目指しました。
また、「地域林業のすすめ」という著書を書かれている、院長先生の息子さんが加わり、地域の森を再生する実験的な持続可能な庭づくりがスタートしました。
今まであまり意識してこなかった以下の7つのキーワードが加わり、今までとはちょっと違った庭が完成しました。
・気づきの感性を育む庭。・化学肥料や薬剤散布なし。・有機物循環。・動物と植物の共生。・小生態系を空間をつくる。・自然造形美×人為的造形美。・災害に強い庭
自然とのつながりを意識した「森の中のクリニック」と、
持続可能な癒しの「クリニックの中の森」。
虫や鳥がたくさんやってくる、患者さんを癒す森!働く人を癒す森!地域の方を癒す森!になってくれたらなと思います!!