久しぶりに新建築 住宅特集を熟読しました。
今月号の特集は、「環境住宅 新時代」。
環境建築に対するモヤモヤを晴らそうと思い熟読しましたが、余計モヤモヤに・・・
究極のパッシブハウスを追求するマニアックな建築家や詩的なデザインコンセプトを語る建築家などなど・・・
素晴らしいと思った作品もいくつかありましたが、何故だかわかりませんが、どれもしっくりきません。
いろいろ考えた結果出てきた答えは、福井という地域性にあわないから。
スペックではなく、保守的な地域性にあわない。
以前「住宅特集」のことを建築オタク雑誌と言っていたクライアントがいましたが、私も全く同感。
偏っているからこそ雑誌に掲載されるわけですが、ほとんどの方が偏りすぎていて、リアリティーがなく、すごく違和感を感じます。
そのこだわりは、本当にクライアントのしあわせにつながっているのだろうか・・・という疑問。
しかし、そんな違和感から、自分の中のモヤモヤが少しだけ整理されました。
限られた予算の中で、クライアントの思いに答え、いかにバランスのとれた建物を提供できるかが弊社の使命のように感じられた。
頑張って差別化された建築は気恥ずかしい・・・
つまらなくて、面白みに欠けるかもしれないけど、美しくて、普通で、シンプルで、飽きのこない、楽しさのあるパッシブハウスを考えたい。
そして、情緒的なエコハウスではなく、本当に消費エネルギーの少ない住宅を淡々とつくっていきたいと思う。
そして、矛盾しますが・・・
そんな保守的な地域性から立ち上がる、建築オタク雑誌に掲載できるような住宅を設計したいなぁ〜!!
ということで、久しぶりに長々書きましたが、今回の学びは以下です。
・性能は建物を評価する様々なモノサシの中の一つでしかない。性能だけに偏った設計にならないように注意しよう。
・パッシブハウスは、性能の追求だけでなく、楽しさの追求とセットで考える。外部とのつながり、家族のつながり等。
・究極のパッシブではなくそれなりのパッシブハウスを考える。デザインコンセプトを極めるのではなく、心地いい環境を極める。
・最先端を追っかけない。福井には合わない。誰もが手に入れることのできるどこにでもある材料や考えで、どこにもない建築を考える。
・保守的な地域性から立ち上がる、福井の気候風土にあった建築を考える。